【地域連携カリキュラム】ふるさとカリキュラムとは
1 春日市が目指す地域連携カリキュラムとは
春日市が示す地域連携カリキュラムの以下の4つの視点をもとに,地域の人・もの・こととの関連を図った「谷っ子ふるさとカリキュラム」を教科等横断的な視点で編成,実施,評価,改善を図るPDCAサイクルの確立させ,市民性をもつ子供の育成をめざした。
・「地域人材を生かした教育課程」 …地域の人材をGTとして取り入れ活用している
・「地域を教材化した教育課程」 …地域の文化・歴史や施設を教材として学んでいる
・「地域に貢献する教育課程」 …部伍会活動を通して地域や人のために貢献する
・「子供と大人の共学の教育課程」…異校種や異年齢集団,保護者・地域と共に学んだり話し合ったりする
<具体的例>
(1) 地域人材を生かした教育課程
・第1学年 生活科 「昔遊び名人さんとあそぼう」
・第2学年 生活科 「おもちゃづくり」
・第3学年 総合的な学習の時間 「しめ縄づくり」
・第4学年 総合的な学習の時間 「やってみようボランティア」
・第5学年 総合的な学習の時間 「米作り」
・第6学年 総合的な学習の時間 「大谷太鼓」
(2) 地域を教材化した教育課程
・第1学年 生活科 「学校大すき」
・第2学年 生活科 「もっとなかよし町探検」
・第3学年 総合的な学習の時間 「とびだそう地域へ」
・第4学年 総合的な学習の時間 「調べようボランティア」
・第5学年 総合的な学習の時間 「ぱれっと館の方と交流しよう」
・第6学年 総合的な学習の時間 「わがふるさとかすが」について学ぼう
(3) 地域に貢献する教育課程
・全校で取り組む「谷っ子部伍会活動」
(4) 子供と大人の共学の教育課程
・地域,保護者参加型学習
~参観日の活用~
・第6学年児童が,春日東中学校の教室を借りて2日間中学生と一緒に過ごす体験学習
~各学級2日間ずつ,春日東中学校校舎内で過ごす~
・災害引き渡し訓練
(5) コミュニティ・スクール校区保護者説明会
児童・教員・家庭・地域の連携協働による校区全体でのカリキュラム・マネジメント
2 地域連携カリキュラム具体事例1
谷っ子ふるさとカリキュラム「谷っ子部伍会活動」
(1)「部伍会活動」とは
子供が住み慣れ親しんでいる校区の3自治会のために,居住地区別のたてわりグループを編成
し,自分たちができることをみんな考え,進んで地域のために取り組む地域貢献活動
(2)「部伍会活動」のねらい
地域や人に貢献する活動を通して,郷土を愛し「志」を高めて人や地域にかかわる力を育成する。
(3)児童が主体的に活動する「部伍会活動」の活動(PDCAサイクル)
①Planの段階
○児童「部伍会活動」の組織編成と学校運営協議会での地域自治会との連携
○「部伍会活動」の推進のための児童組織をつくり学校運営協議会との連携を図る。
○「部伍会活動」班での活動計画を作成し各地域別で部伍会を発足させる。
部伍会リーダーと担当教師で計画した活動計画を学校運営協議会の会議の中で,直接各地区
自治会長と協議し,各担当の部伍会リーダーが説明していった。
② Doの段階
○「部伍会活動」で取り組む地域行事への参加・参画
学校運営協議会での各地区自治会長や地区委員さん方との協議でいただいた意見をもとに,部伍会リーダー会で活 動案の見直しと改善を図らせ,活動方法を全校児童が周知し実行させた。
・「春日市クリ-ン作戦(春)」…地域の清掃活動
・各地区自治会の夏祭り」
【児童が計画・実施した各自治会の夏祭り】
大谷地区 子供の時間「ラムネ早飲み競争」の企画準備と司会 ポスター作成と掲示 子供ス
テージへの参加 夏祭りの会場準備や片付け
小倉東地区 夏祭りの司会進行 ポスター作成と掲示 子供ステージへの参加
「ジュース早飲み競争」の企画準備と司会
夏祭りの司会進行
大和町地区 ポスター作成と掲示 運動会のダンス発表 子供御輿の参加
○「春日市クリ-ン作戦(秋)」…地域の清掃活動
・ポスターを作り,参加の呼びかけ
・参加状況の集約や作業の確認
・参加者の地域行事参加カードのスタンプ押し
○PTA資源回収への参画
○各地区自治会別の活動
・大谷地区…招待状づくり
・小倉東地区…公民館横の公園清掃(月1回) ・大和町地区…いもほり
③ Checkの段階
○「部伍会活動」で取り組んだ地域行事・ボランティア活動の参加者把握
各地区の部伍会ごとに,参加促進や参加状況を把握するために,地域行事参加カードに,リーダーと副リーダー
がスタンプを押して確認していった。
※春の春日市クリーン作戦への参加状況を部伍会リーダー中心に,把握していった。
A 当日参加した児童
B 当日用事があり参加できなかった児童
C 当日時間があったが参加しなかった児童
分析の結果,Bの参加する意欲があるのに参加できない児童が多く居たので,この子達を
どのように参加させるのか協議した後,担当者と部伍会リーダーの話し合わせた。
④ Actionの段階
○「部伍会活動」で取り組んだ地域行事・ボランティア活動の課題把握と改善
各地区毎に部伍会リーダーが,活動内容や参加状況から各地域行事ごとに成果と課題を明らかにし,地域担当者と
協議し次回への親子で参加する児童の参加率をあげるための改善案をまとめ、学校運営協議会に参加して直接各地域
自治会長に報告し改善策を協議させていった。
改善策は以下の項目である。
・当日出席確認ができる地区は,集まって地区のリーダーが参加の確認を行う。
・参加率を上げるために呼びかけたり,ポスターを準備し貼ったりする。
・参加できない子供は,参加を促進するために,前日や当日用事が終わってから,自分の家の周りの掃除をしたり
ゴミを拾うことで参加とする。
その結果クリーン作戦への参加率は「春のクリーン作戦」約55%から「秋のクリーン作戦」約75%と大きく参
加率が向上した。